来年に100周年を迎える東京六大学野球リーグの歩みは、応援団とともにある。ブラスバンドを用いた伝統の応援スタイルはそのままに、「硬派な男社会」というイメージは変わりつつある。今年、立教大で初めての女性団長が誕生した。
「フレー!フレー!」。神宮球場で5月14日にあった明治大と立教大との一戦。試合前後に行われるエール交換では、両校の応援席から、高らかな声がこだました。指揮した団長はどちらも女性。学ランや袴(はかま)ではなく、黒色のパンツスーツを着ていた。
立教大の第93代団長は、望月蒼生さん(4年)が務める。「団長と言えば怖くて威圧感のある方」と従来のイメージを語り、「団員にとって遠い存在よりも、いてくれたら安心と思ってもらえる存在でありたい」とのリーダー観を持つ。旧態依然の上意下達ではなく、同級生や下級生の悩みに寄り添うことを意識している。
応援団はリーダー部、チアリーディング部、吹奏楽部の3部で構成され、これはどの大学でもおおむね共通する。特に規定があったわけではないが、例年、団長は男性だけで構成されてきたリーダー部から選ばれることが多かったという。
女性が団長に就いた背景には…