政治学者の岩本美砂子さん

 少子化が進み、「子どもを増やそう」とさまざまな政策が検討されています。政治学者の岩本美砂子さんは、人口政策は女性の身体に直接的な影響を及ぼしてきたと指摘します。少子化の議論の中で、こぼれ落ちているものとは。

「子どもを増やすな」から始まった

 人口政策で女性は数として注目されるだけでなく、身体への直接的な影響も及ぼされてきました。中絶や避妊をめぐる政策には人口という要素がつきまとい、それは今も続いています。

 日本では1948年、旧優生保護法によって世界に先駆けて中絶が合法化されました。当時、問題視されていたのは、終戦による人口の急増です。未曽有の食糧難の中、「子どもを増やすな」という方向で中絶が扱われました。

少子化、利権・・絡み合う思惑

 まもなくその方向は百八十度…

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