記者サロン「女性トイレなぜ並ぶ?」で語る行政書士の百瀬まなみさん(左)=朝日新聞東京本社、中村律撮影

 公共トイレの男女別の便器数を数えている人がいます。東京都在住の行政書士、百瀬まなみさん(60)。彼女を招いた記者サロン「女性トイレなぜ並ぶ?」を目下配信中です。

 百瀬さんによると、全国937カ所の男性便器数(小便器を含む)は女性の1・72倍(7月24日時点)。「一般的には女性の方が時間がかかるのに、なぜか」と改めて問いかけました。その上で、多くの人が不便を感じながらも改善されない問題とは何か、トイレから見える日本社会について、共に取材した関口佳代子記者を交えて語り合いました。

 視聴者からは「日常の気付かない色々を気づかされた」(宮城県・男性)、「多様性、ジェンダーについて考えられるのが面白かった」(東京都・女性)といった感想が届きました。

 「国としての政策を今後も注視したい」(京都府・女性)との声も。

 政府は6月に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針)に、「女性トイレの利用環境の改善」を明記しました。取材班として、今後の行方をウォッチしていきます。

 「『当たり前』を変えようとするときには、抵抗も大きいだろうなと悲観的な感想も持ってしまいました」(東京都・女性)には、うなずきました。「気づき」が共有できないと事態は動かず、道のりは平らではありません。それでも声をあげられる人があげ、少しずつ、本当に少しずつでも動かせていけたら、と思いました。

 「調査の裏付けのある主張は重い」(山形県・男性)、「よくぞ調べて発信してくれました」(東京都・女性)など、百瀬さんへの賛辞も多くいただきました。申し込みはhttps://t.asahi.com/wp8nかQRコードから。

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