千葉県

 女性議員に聞こえる中で「(女性議員を)口説いてやったよ」。別の男性議員はそれに対し、「そんなこと、(女性議員の)御主人に言って大丈夫なのですか」――。

 千葉県市原市議会の永野喜光前議長(76)によるセクハラ疑惑で、永野氏と女性議員側との間にそんなやり取りがあったことが、5日公表された市議会の政治倫理審査会の報告書で明らかになった。

 審査会は、こうした永野氏の「接触行為」や「理不尽な言動」がハラスメント行為にあたると認定。議員としての責任を問う「議員辞職勧告」が適当と結論づけた。

 この問題は2月、市内のホテルであった祝賀会で、当時市議会議長だった永野氏が女性議員と握手したことなどを巡って浮上。市議会が3月から審査会で調査していた。

 報告書によると、祝賀会では、永野氏が別の席にいた女性議員を自分の席に大声で呼び、「手のひらで女性議員の顔(あご)を触った」「隣に座るよう何度も促された」という。女性議員は「見下されている感じがした。女性議員はそういう対象なのか。軽んじられている」と述べたという。

 審査会は「議長の公務として出席したにもかかわらず、ハラスメント行為を行ったことは非常に責任が重い。酒席だからと言って許されるものではない」と指摘した。

 菊地洋己議長は「非常に重く受け止めている。二度とこのようなことがないよう、市民の代表者としての責任と自覚を改めて確認し、研修会の実施など再発防止に取り組む」とコメントした。

 一方、永野氏は5日、審査会の報告書に対し、「事実関係が明らかでないのにセクハラで議員辞職勧告という重要な決定がされ、明らかにバランスを欠いている。社交辞令の範囲を縮小しなければと反省している」とのコメントを発表した。(前田基行)

共有
Exit mobile version