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阪神の佐藤輝明選手=内海日和撮影
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 阪神タイガースの中継などでおなじみの朝日放送テレビ・高野純一アナウンサーと、朝日新聞スポーツ部のトラ番大坂尚子記者が定期的に語る「虎バン主義。」。優勝目前のチームについて話しました。

 大坂 優勝マジックが1桁になり、2年ぶりの優勝が迫っています。

 高野 2年前と違うところは、レギュラーメンバーを固定していないところ。1~5番は基本的に固定ですが、内外野を守れる熊谷敬宥選手をはじめ、小幡竜平選手、豊田寛選手、中川勇斗選手など、競争させながら層を厚くしている印象です。

 大坂 藤川球児監督は主力選手にも休養を与えながら、うまくマネジメントしています。

  • トラの1番打者の別の顔 子どもたちへの「ギフト」にこめた原点

 高野 少し前に、試合前練習中の雑談で「選手がいいのはもちろんだけど、良いコーチがやっているからだよ。ベンチがそうさせているんだよ」と話していました。

 大坂 同じような話を私も聞いたことがあります。それぞれが「自分の担当に責任を持てるコーチたち」だと。

 高野 一方で「僕も含めて、もっと首脳陣が成長しないといけない」とも話していました。

 大坂 先日は「チーム作りに完成形はない」とも話していました。それらの話を聞いていると、球団が2016年から掲げているスカウティング力とコーチング力を上げる「骨太のチーム」方針に合致しています。

 高野 強い組織を作ろうとしていますよね。メンバーを見ても生え抜きの選手ばかりでドラフト1位も育っています。

 大坂 球団創設90周年イベントに参加した金本知憲元監督が「今の形を僕は目指していた」と話していました。ここまでの戦いを振り返って、みんな欠かせないとは思いますが、高野さんが功労者を挙げるなら、誰でしょうか。

 高野 佐藤輝明選手ではないでしょうか。投手では石井大智選手かな。

 大坂 佐藤輝選手は5年目を迎えて、これまでと違うなと感じることはありますか。

 高野 自分の言葉でしゃべれるようになったかな。根底にある明るさは全く変わっていないので、変わらず好感を持てる選手です。

 大坂 石井投手は元々、しっかりした性格ですね。今季は連続試合無失点のプロ野球記録も塗り替えました。

 高野 「真っすぐと落ちる球で三振を取りに来る、と相手も考えているから、アプローチを変えないと行けない部分もある。野手に助けられている部分もある」と話していました。それにしても、憧れていた藤川さんが監督になった年に、監督のセ・リーグ記録を超えて……というのは最高のストーリーですよね。

 大坂 以前、監督の記録を調べたことがあるらしいです。監督の記録は2006年のもので、打率3割5分超や40本塁打超の打者がいたシーズン。記録継続中に47回3分の2を無失点に抑えたこともあり「監督には及ばないです」と。

 高野 数字を見ても、特にこの2人は欠かせないです。5日からは甲子園で6試合あります。優勝を実況など仕事で関われるのか、逆にテレビ越しに見ることになるのかわかりませんが、いずれにせよ楽しみです。

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