妊婦と妊娠している可能性のある女性に対して処方が禁じられている新型コロナウイルスの飲み薬について、厚生労働省は4日、薬を飲んだ後に妊娠が発覚した事例が、10月末までに計73件あったと公表した。今年度も報告が相次いでおり、厚労省は注意を呼びかけている。
コロナ治療薬のうち、「ゾコーバ」と「ラゲブリオ」は妊婦が使うと胎児に奇形が生じる可能性がある。処方した時には妊娠がわかっていなかったが、飲んだ後に妊娠が判明した事例が複数報告されてきた。厚労省が4日の専門家調査会に示した資料によると、こうした事例は、販売開始から今年10月末までに、ゾコーバで54件、ラゲブリオで19件あった。ゾコーバでは、うち17件は今年度に報告されている。
厚労省はSNSなどで注意喚起してきたが、今年度も報告が相次いでいるため、添付文書を改訂させて、十分な問診で患者が妊娠していないことの確認を徹底させる。