キズキ共育塾の専任相談員、半村進さん=キズキ共育塾提供

 子どもが不登校になった――。この時、親は、子どものサポートと仕事との両立をどう考えればいいのか。不登校の子どもの受験塾「キズキ共育塾」で専任相談員をしている半村進さんは、自らも不登校や約5年半のひきこもりも経験し、約2千人の保護者の相談を受けてきた。「不登校離職」の悩みを打ち明けられることもある。話を聞いた。

「いきなり辞めなくていい」

 ――「仕事を辞めようか迷っています」などと相談を受けた時、どう答えていますか。

 「まずこう言います。『親にとっても、子どもにとっても、不登校は初めての経験で、お互いに落ち着いて対応できなくても、それがむしろ当たり前です』と」

 「仕事をどうすればいいのか分からないのも当たり前のこと。何も恥ずかしくありません。その上で『仕事を辞めてしまうという大きな決断を即座に下さなくても良いんじゃないですか』と言うことが多いですね」

 ――どうして「大きな決断」をしないほうがいいのでしょうか。

 「子どもが不登校になって、すぐに落ち着いて考えられる親はなかなかいません。そうした精神状態で下した決断は、後から考えると極端であることが多いと考えます」

 「子どもと過ごす時間を増やしたいという、親の思いは当然です。ただ、それを実行するための選択肢は色々とあります。いきなり辞めなくてもいい、ということです」

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まずは「お試し」を

 ――具体的にどんな選択肢がありますか。

 「最初の一歩として『お試し』を提案することがあります。そもそも、子どもは親と過ごす時間を増やすことを望んでいるのか。有給休暇を2、3日取り、子どもがうれしそうか、安心してそうかを見てみましょう。親にとっても、一緒に過ごしてどう感じるかは試さないと分からないところがあります」

 ――その先の選択肢はどうで…

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