大工の指導で断熱材をカットする児童ら=2025年6月1日、青森市、石井徹撮影

 青森市立原別小学校で1日、「断熱ワークショップ」が開かれ、児童たちや保護者、関係者ら約50人が参加した。断熱は、冷暖房の効率を高めて電気代や灯油代の節約になり、健康にもいいため、住宅に加え学校現場でも重要視されている。

  • 小学校で「断熱ワークショップ」を、クラファンで費用捻出 青森

 この日、児童たちは1階の教室に集まって地球温暖化の深刻さや断熱の役割などについて学んだ後、大工の指導に従って作業をした。

 廊下側の壁には、樹脂製の断熱材をノコギリやカッターで切り、ぴったりとはめた。断熱材を隠す前には、子どもたちが「長生きしたい」「ロボット設計者になりたい」など、思い思いの夢を書き付けた。

 青森県産のヒバ材で作られた内窓には、両面テープでポリカーボネート製のパネルを貼った。内窓がぴったりはまると周りから拍手が起き、「職人みたいな手際の良さだ」との声が上がっていた。

 作業後、参加者は温度を可視化できるサーモカメラを使って断熱した窓などを撮影。断熱前後でアルミ製の枠の熱が教室に入りにくくなっていることなどが確認できた。

 参加した同小6年の佐藤雄太さんは「最初は難しかったけど、慣れたらできるようになって楽しかった。将来の夢は大工になりました」と話した。母親の妙子さんは「子どもに木工の体験をさせたいと思って参加した。親も断熱の大切さを知ることができた」と話していた。

 ワークショップを主催した市民グループ「青森の温暖化対策を考える会」は今回、クラウドファンディングで全国から得た支援金165万円で実施にこぎつけた。代表の中堀一弥さんは「これから暑さが厳しくなってくると、子どもたちはより一層、断熱の効果を感じられるようになるのではないか」と話した。会は、後日、ワークショップの動画を公開する予定という。

共有
Exit mobile version