夢洲から
「あとどのくらいでマックマックに会える?」
「ちゃう、マックミャックやで」
数カ月間、家族の中で何度も繰り返してきた会話だ。大阪・関西万博の公式キャラクター「ミャクミャク」は、5歳と7歳の子どもには言いづらいようだ。
それでも繰り返すのは、2人ともたくさんの目がついたミャクミャクが大のお気に入りだから。
先日、念願かなって訪れた万博は入場だけでも1時間以上かかって疲れたが、子どもたちは何のその。正座で出迎えるミャクミャクの像を見つけ、「本物や~」と駆け出して行く。
ミャクミャク柄のマンホールを見つけてはしゃぎ、ミャクミャクのスタンプを押して、またはしゃぎ。パビリオンはそっちのけで、ミャクミャクばかりを探している。
歩数計は1万歩超。何度も見てきたミャクミャク。あきもせず、どうしてそんなに楽しめるのか。もう勘弁。そう思っていたら、下の子が「ママ、あんなとこにもミャクマックの目、あんねん」と言う。
ふと見ると、見慣れぬミャクミャクの後ろ姿。何と、初めて知った。おしりの尻尾のような部分にも、目がついている。
すぐに目移りせずとも、探究心次第で新たな楽しみが見つけられるのかもしれない。子どもの目のつけどころに、目を丸くした。
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世界中の人々が集まり、連日多彩なイベントが開かれる大阪・関西万博。会場の夢洲(ゆめしま)で取材に駆け回る記者たちが、日々のできごとや感じた悲喜こもごもを伝えます。