子どもがうまくロケットを飛ばそうと工夫する姿を想像する。「それ、めちゃくちゃ科学じゃないですか」=東京都品川区、山本佳代子撮影

凄腕しごとにん 吉野敏弘さん(48)

Gakken 「学研の科学」編集長

 点火スイッチを押すと、発射管の中でオレンジ色の炎が一瞬はじけ、ロケットが打ち上がった。スマホを向けて見守る役員らが「おおっ」と歓声をあげる。2年前、会社の経営会議室でのこと。

 雑誌の「ふろく」作りに携わって20年以上。子ども向けの「学研の科学」を一昨年、12年ぶりに復活させた。

 その復刊号に用意したのが、「水素エネルギーロケット」だった。手回しの発電機で水を電気分解して発生させた水素を「燃料」とし、火花が出るスイッチで着火する。小さな爆発が生じ、試験管大のロケットが3.5メートルほどの高さまで打ち上がる。

 子どもが家で組み立てられる…

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