高校などの授業料の無償化範囲を拡大する動きが広がりつつある。大阪府や東京都は所得制限などを撤廃した。保護者からは教育費の負担減を期待する声もあがるが、課題を指摘する専門家も。先行する大阪府の無償化について、専門家に聞いた。
園山大祐・大阪大学教授(比較教育学)の話
子どもの教育費を公費で負担するのか、私費で負担するのか。世界に目を向けると、国によって状況が違います。
経済協力開発機構(OECD)が発表した加盟国37カ国の2020年のデータでは、初等から高等教育までの私費負担の割合の平均は15.59%。チリ、イギリス、コロンビア、アメリカ、オーストラリアは約30%で、私費負担が大きい国に分類されます。日本は26.52%で6番目でした。
一方、ルーマニア、フィンランド、ルクセンブルク、スウェーデン、アイスランド、ノルウェーは5%以下。ほぼ全て公費の国もあります。
私費負担の割合が大きい国は…