和光堂の「ぱくぱくプレキッズ」シリーズ。骨をとったサバの切り身を使うなど、食べやすさにこだわった=2025年8月28日、東京都墨田区、橋田正城撮影

 栄養価値の観点から子どもの食を捉え直し、食の課題解決を図る食品メーカーが目立ってきた。国内はメニュー不足や栄養バランスに懸念がある一方、世界では栄養不足で生死をさまよう子どもが多数いる。SDGs(持続可能な開発目標)を意識した対応が求められていることも背景にある。

 「幼児食はメニューが少ない一方、親は復職期に重なる。食事を準備する負担が重い」。アサヒグループ食品の担当者は幼児食ビジネスの意義を語った。

 アサヒは7月に和光堂ブランドで幼児食事業に本格参入。1歳半~6歳未満の幼児を対象にした「ぱくぱくプレキッズ」シリーズを投入した。

 幼児期は食べ物の好き嫌いが増える時期で、親の悩みも多い。実際、アサヒの調査では、半数超が「子どもに必要な栄養素が不足していると思う」と回答。「離乳食を卒業した後に何をあげて良いのかわからない」と答えた人も7割に達した。

 新シリーズは、ベビーフードより鉄、カルシウム、たんぱく質などの栄養素を強化し、塩分を抑えた。栄養価値も高めて、親の悩みを軽減する商品で市場開拓を狙う。

明治、子ども向けの栄養指標 味の素はアフリカで栄養治療食

 明治は、子どもにとって栄養価値の高い食品の開発に生かそうと、自社商品をスコア(数値)で評価する独自の仕組みを作った。

 子どもの発育に必要な栄養成…

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