子どもや配偶者のいる世帯に対する年金の加算制度について、厚生労働省は3日、子育てを後押しするため、子どもへの上乗せを手厚くする一方、配偶者への加算額は将来的に減らす見直し案を社会保障審議会に提示した。共働き世帯の増加などを背景に、配偶者への加算の役割は小さくなると判断した。
年金受給者の世帯に、18歳までの子どもや65歳未満の配偶者がいる場合、一定の条件を満たせば年金を加算する。老齢年金、障害年金、遺族年金に上乗せの仕組みがある。
現行制度では、第1子、第2子は年間23万4800円、第3子以降は7万8300円(いずれも2024年度)を加算する。見直し案では、第3子以降の加算額を第1子、第2子と同額まで引き上げた上で、上乗せ金額自体も拡充する。さらに、これまで子どもの加算制度がなかった老齢基礎年金の受給者にも新たに上乗せする。
配偶者については現在、65歳未満で年収850万円未満の場合、年間23万4800円(同)を加算。22年時点では、老齢厚生年金の加算分は約92万人(約3571億円)に支給されている。
厚労省は、①現在の受給者への支給額は維持②将来、新たに受給する人の金額を減らす――という見直し案を示した。
現行の制度が導入された19…