無料や低額で食事を提供する「子ども食堂」が全国で1万カ所を超えた。コロナ禍や物価高の逆境でも増え続けたのは、食事をする場所だけにとどまらず、世代を超えた地域の「居場所」として浸透してきた背景がある。

子ども食堂でご飯を食べる子どもたち=2024年12月4日午後5時43分、東京都豊島区、三宅梨紗子撮影

 子ども食堂のネットワークづくりなどをするNPO法人「全国こども食堂支援センター・むすびえ」が11日、発表した。子ども食堂を「子どもが一人でも安心して行ける無料または低額の食堂」と定義して調査し、今年度は全国1万866カ所と、公立中学約9300校を上回り、過去最多となった。

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 子ども食堂は2012年に東京都大田区で八百屋を営んでいた女性がボランティアで食事を提供した活動が始まりとされ、全国へ広がっている。個人や企業、NPO法人など運営主体は多様で、毎日開催しているところや月1回のところもある。運営には国や自治体の補助金、民間の助成金、寄付、食品の寄贈などを活用しているところが多い。

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