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代理出産を検討している夫婦=2025年4月、友永翔大撮影
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 順調にいけば、来年には子どもが生まれる。だが、赤ちゃんを産むのは自分ではなく、海外にいる代理母だ。

 30代の女性は、うまれつき子宮や膣(ちつ)がない「ロキタンスキー症候群」だ。

 胎児を育む子宮がなければ、子を産むことができない。子宮がない女性が子どもを持つ方法として、海外の代理母による「代理出産」があると知った。昨年、米国の代理店と契約を終えた。

 だが、今国会に提出された特定生殖補助医療法案は、海外で実施する場合も含めて、代理出産を禁止している。違反すれば罰則の対象となるおそれがある。

 今国会での審議入りは見送られる可能性が高まっているが、女性は「普通の夫婦と同じように子どもを持ちたいと願うことが、罰則の対象になるのでしょうか。代理出産を希望しているカップルがいることを知ってもらい、もう一回、当事者の声を聞いて丁寧に議論して欲しい」と訴える。

20歳で知った「自分に子宮がない」

 高校1年の夏、生理がこないことに気づいた母に「婦人科に行ってみる?」と言われ、受診した。医師は「ホルモン異常」と説明し、ホルモン剤を処方した。そして、こう付け加えた。「もし、20歳になっても変わらなかったらもう一度来てください」

 このとき、別室に呼ばれた母…

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