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異所性妊娠(子宮外妊娠)への対応のイメージ=日本医療安全調査機構の「警鐘レポート」から

 異所性妊娠(子宮外妊娠)による大量出血で死亡につながった事例が過去10年で3件あったと、日本医療安全調査機構が公表した。妊娠可能な女性が強い腹痛などで受診したときは子宮外妊娠を疑い、腹部のエコー検査(超音波検査)や妊娠反応の検査をするよう、医療機関に呼びかけている。

 2日に公表した「警鐘レポート」に掲載した。子宮外妊娠は、卵巣と子宮をつなぐ「卵管」などに受精卵が着床すること。そのまま受精卵が成長すると、卵管破裂などによる大量出血で命にかかわる。全妊娠の1~2%ほどで起こるとされる。多くは重症化する前に見つかって腹腔(ふくくう)鏡の手術などで対処でき、死亡につながるケースはごく一部とされる。

 機構によると、子宮外妊娠で亡くなった3人は30~40代。腹痛や性器出血で受診したが、救急医が患者から「妊娠に異常はない」と伝えられたり、産婦人科医が流産したと診断したりしたため、子宮外妊娠に気づくことが難しい事例だったという。

 対策として、救急対応時にエコーや妊娠反応の検査を実施▽より詳しく調べられるCTやMRIなどの画像検査を検討▽症状が続くときは再受診するように患者に促すこと――などを挙げた。

 子宮外妊娠の頻度は、体外受…

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