今年度の全国学力・学習状況調査で、鹿児島県内の小学6年生は理科の平均正答率で全国を上回ったが、中学3年生は数学の正答率と理科の項目反応理論(IRT)スコアで全国を下回った。県教育委員会は結果を詳細に分析し、学力を高める授業の進め方などに生かす方針。
調査は小6と中3を対象に4月にあり、県内の公立学校では小6の1万2920人、中3の1万2804人が参加した。教科は国語と算数・数学、理科で、理科は3年ぶり。中学理科は生徒によって違う問題が出題されるオンライン方式で4日間実施された。
県教委によると、小6は理科の平均正答率が60%と全国平均を上回った。国語は67%、算数は57%でいずれも全国と同等だった。
中3は、国語の平均正答率は53%で全国と同等だったが、数学は45%で全国を下回った。理科は、500を基準とした得点で表すIRTスコアが493で、全国を下回った。
正答数の標準偏差をみると、小6はいずれの教科も全国より数値が小さく、児童間の学力のバラツキが少ないことがみてとれた。また、算数・数学は、小6、中3とも正答数が半数より少ない層が全国より多く、学力に個人差が大きいという。
県教委の疋田哲朗・義務教育課長は「算数・数学は、基礎の定着に課題がある。基本がしっかり身につくように授業をしていく必要がある」と話した。