(28日、第107回全国高校野球選手権愛知大会1回戦 富田4―3中村)
1点を追う八回裏、2死二、三塁の好機に、中村の稲冨太智主将(3年)に打席が回ってきた。6球目を振り抜いたが右飛に倒れた。「なんとかみんなで1勝したかった。最後まで『あとちょっと』に届かなかった」
先発メンバー9人中6人が2年生で、下級生が主力のチーム。「チームがひとつにならなければ勝てない」と、学年の枠を超えてまとまるために、主将として声かけや練習でのペア組みに気を配るなどしてきた。
試合前、緊張する2年生に「君たちがこのチームを支えているんだから自信をもって」と伝えた。言葉通り、2年生エースが完投するなど素晴らしいプレーを見せてくれた。
小学生から始めた野球は、この日で一区切りつけるつもりだ。「上級生としての責任を忘れず、練習には全力で取り組んでほしい」。一緒に戦ってきた後輩たちへそう思いを託した。