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中高生が利用できるようになるコワーキングスペース=2024年6月7日午前11時4分、宮崎市橘通西3丁目、中島健撮影
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 「過ごし方が自分たちで選べる場所が欲しい」。そんな中高生の声を踏まえ、自習でも雑談でも自由に過ごせる場所を宮崎市が中心市街地につくった。8日から、利用者がそれぞれ自分の作業に打ち込む民間の共有オフィス「コワーキングスペース」を土日・祝日に限って無料開放し、気軽に使える居場所にしてもらう。

 きっかけの一つは、中高生を対象に市が昨年12月から3回開催した「ティーンズ会議」だった。子育て政策などについて子供の視点から考え、発表してもらった。

 市が課題としている中高生の居場所づくりについて、参加者から「だれでも使える」「設備が整った場所」などの希望があがった。

 市中心部で育った清山知憲市長も「図書館も離れているし、昔あった映画館もなくなった」と、まちなかで子供たちが過ごせる空間が少ないという認識を共有。市は国の交付金を活用し、商業ビル「宮崎ナナイロ」でコワーキングスペースを運営する「ATOMica」にモデル事業を委託した。

 利用できるのは、学校がない週末や祝日で、中高生が対象。利用登録すれば、Wi―fi環境やオートロックがある有料施設のオープンスペースで、自由に雑談や飲食ができる。

 市は、コワーキングスペースとして利用する大人との交流が生まれ、社会性が磨かれる効果も期待する。2カ月に1度、ワークショップなどを開き、2025年度の事業にいかす方針だ。ATOMica拠点長の日永純治さんは「学校が過ごしづらい子供にも、社会人と交流することでいろんな生き方を知って欲しい」と話す。

 6日の記者会見で、清山市長は「子供たちが安心して、友達と楽しく過ごせる場所を提供したい。充実した生活を送ればいい思い出になるし、高校卒業後に宮崎市を離れても帰ってこようと思ってくれるかもしれない」と語った。(中島健)

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