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県教委夜間中学設置準備班長の前田亜弓さん。七夕の短冊には、夜間中学体験教室「まなみえ」の生徒たちが願いを書いた=2024年7月16日午後2時23分、三重県庁、鈴木裕撮影

 「学校の『当たり前』が、当たり前じゃない学校」。来年4月に開校する三重県立の夜間中学と学びの多様化学校(文部科学省へ申請中)を併設する「みえ四葉ケ咲中学校」。準備を進めている県教育委員会事務局の前田亜弓さん(51)は、こんな理想を描いている。どんな学びの場になるのか、聞いてみた。

 ――夜間中学と学びの多様化学校を併設する県立の学校は全国初です。

 いろいろな理由で義務教育を受けていない人、または、十分に受けていない人たちが学ぶ学校です。経済的な理由や家庭の事情で教育を受けられなかった人、不登校の人。高齢者もいれば若い人もいる。国籍も様々です。学びたいと思う気持ちを持って通ってくる人たちにとって、居心地の良い場所、学ぶことが楽しいと思える場所をめざしています。

 ――基本構想に「一人ひとりの願い(○○たい)が芽生える 伸びる 広がる学校」を掲げています。

 「○○たい」は、学びたい、友だちをつくりたい、という願いです。一人ひとり願いは違うし、それをかなえる方法も違う。それぞれの思いに耳を傾け、願いをサポートしていきます。

自分の思い、伝えられる人ばかりでない

 ただ、夜間中学のニーズを探…

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