「学校の『当たり前』が、当たり前じゃない学校」。来年4月に開校する三重県立の夜間中学と学びの多様化学校(文部科学省へ申請中)を併設する「みえ四葉ケ咲中学校」。準備を進めている県教育委員会事務局の前田亜弓さん(51)は、こんな理想を描いている。どんな学びの場になるのか、聞いてみた。
――夜間中学と学びの多様化学校を併設する県立の学校は全国初です。
いろいろな理由で義務教育を受けていない人、または、十分に受けていない人たちが学ぶ学校です。経済的な理由や家庭の事情で教育を受けられなかった人、不登校の人。高齢者もいれば若い人もいる。国籍も様々です。学びたいと思う気持ちを持って通ってくる人たちにとって、居心地の良い場所、学ぶことが楽しいと思える場所をめざしています。
――基本構想に「一人ひとりの願い(○○たい)が芽生える 伸びる 広がる学校」を掲げています。
「○○たい」は、学びたい、友だちをつくりたい、という願いです。一人ひとり願いは違うし、それをかなえる方法も違う。それぞれの思いに耳を傾け、願いをサポートしていきます。
自分の思い、伝えられる人ばかりでない
ただ、夜間中学のニーズを探…