奈良県内の学校法人関係者向けに開かれた労務管理の説明会=2025年8月6日、奈良市法蓮町、伊藤誠撮影

 奈良労働局は、教員の労働時間やメンタル不調をめぐる相談が増えていることを受け、奈良県内の学校法人関係者を対象に、労務管理などに関する説明会を初めて開いた。私立学校の教職員ら約30人が、関係法令の現状やトラブル予防などについて学んだ。

 説明会は6日に開催された。監督課の上地聖華・監督係長は、時間外労働や割増賃金などで違反が目立つと紹介。「どこまでを労働時間ととらえるか」「自己研鑽(けんさん)と労働との線引きが難しい」といった声も聞かれるという。

 しかし、「この考え方を整理することが、働き方改革を進めるうえでの課題」と指摘。生徒や保護者対応の時間、打ち合わせ・会議、参加が義務づけられた行事の参加・準備などは「すべて労働時間だ」と述べ、労働時間の適正な把握を求めた。

 また、健康安全課の生地広行・地方労働衛生専門官は「メンタルヘルス対策」について説明した。効果的に進めるには、労働者自身によるセルフケア、管理監督者によるケア、産業医などによるケアなどが、職場に応じて「継続的、計画的に行われることが重要」などと話した。

 同労働局には、社会保険労務士の資格をもつ「労働時間管理適正化指導員」が2人いて、個別訪問して関係法令の説明をしており(無料)、参加者に「気軽に依頼してほしい」と呼びかけた。

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