2030年ごろに運用を終える国際宇宙ステーション(ISS)の後継を見据え、米国では民間企業主導で宇宙ステーションの開発が進む。年内には米航空宇宙局(NASA)による公募が始まる見込みで、本格化する宇宙空間の商業利用に向けて各社がしのぎを削っている。

 丸みを帯びた真っ白な空間は、5人ほどが入っても十分に広く、まるでホテルの一室のような高級感が漂う。訪れた人は順番待ちの列をつくり、足を踏み入れる度に驚きの声を上げていた。

 4月中旬、米コロラドスプリングズで開かれたシンポジウムの会場に直径4.4メートル、長さ10.1メートルの円筒形のカプセルがあった。初めて一般向けに展示された米宇宙企業バストが開発中の宇宙ステーション「ヘイブン1」の実物大模型だ。

米バスト社のヘイブン1の実物大の模型=2025年4月8日、米コロラドスプリングズ、市野塊撮影
米バスト社のヘイブン1の実物大の模型内部。共用部の天井には窓がついている=2025年4月8日、米コロラドスプリングズ、市野塊撮影

「ビジネスや科学研究の場」

 廊下と共用部からなる約45…

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