不当な安値での「押し買い」に要注意

 悪質な不動産業者による、「押し売り」ならぬ「押し買い」の被害が広がっている。とくに狙われやすいのが都市部のマンションに住む高齢者だ。家を不当な安値で買いたたかれたうえに、「終(つい)のすみか」から追い出されてしまうケースも。国民生活センターによると、被害者が60歳以上の自宅売却をめぐるトラブル相談は2024年度に初めて800件を超えた。どんな手口なのか。

 「終活のために、お住まいを売却しませんか」

 都内のマンションに暮らしていた90歳と88歳の姉妹のもとに、ある不動産業者が電話をかけてきたのは23年秋のことだ。後日、2人の男性従業員が訪ねてきて、自宅を2750万円で買い取りたいと告げられた。

 「手入れをせずに引き渡すか、内部を新しくするかで価格も変わりますから」。従業員はそう繰り返し、買い取り価格の根拠の説明はなかった。

 姉妹が戸惑っていると、今度は「リースバック」という耳慣れない仕組みを紹介された。物件の売却と同時に、売り主がそのまま住み続けられるよう賃貸借契約を結ぶ不動産取引のことだ。

 ところがリースバック契約を結んでも、姉妹が継続して住める期間はわずか10カ月という。「期限がないと終活が進みません」などと促された。

最悪、住まいから追い出されかねない不動産の「押し買い」被害。被害救済のための法制度の不備を指摘する声もあります。記事末尾では、被害に遭わないための注意点をまとめました

 書類に次々と署名押印させら…

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