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東洋大姫路の桑原大礼捕手=2025年6月1日午後1時48分、奈良県橿原市のさとやくスタジアム、原晟也撮影
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 (1日、春季近畿地区高校野球大会決勝、東洋大姫路1―0智弁和歌山)

 1点リードの九回、東洋大姫路バッテリーは先頭で4番打者を迎えた。この試合で2安打を許していた。「甘く入ったら本塁打を打たれる可能性がある」。桑原大礼(おおら)捕手(3年)は配球について頭をフル回転させた。

 3球で追い込んだが、三つのファウルと2ボールでフルカウント。1球1球に球場は緊張感が走った。9球目。桑原捕手は、外のチェンジアップで逃げるか、直球で内角を攻めるか考える。

 ミットを構えたコースは、内角低めだった。見逃し三振。このリードには、桑原捕手の思いが詰まっていた。

 1年時から正捕手を務めた。だが、打者を警戒しすぎるあまり、外角の厳しい球を要求して四球を与えてしまうことが多かった。「内角の使い方がわからず、逃げてしまっていた」と振り返る。

 今春の選抜大会では、失策が絡み1イニングに6失点して負けた。そのこともあり、「このままではいけない」と危機感があった。

 選抜後は投手陣と配球を話し合った。エース阪下漣投手(3年)をけがで欠くなか、試合経験の少ない投手たちを、強気なリードで引っ張った。

 春季近畿地区大会決勝は木下鷹大(ようた)投手(3年)が智弁和歌山を完封した。結果、県大会から8試合を4失点に抑えた。「配球を考え続けてきた。投手陣も自分も成長できた」と笑った。夏を前に確かな手応えをつかんだ。「この夏も絶対勝ちます」

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