4月から法律で「65歳までの雇用確保」が完全義務化される。企業は「65歳までの定年引き上げ」「定年廃止」「65歳までの継続雇用制度(再雇用、延長など)」のいずれかの選択を迫られる。ほとんどの企業が導入している定年制度そのものを廃止する動きもじわりと広がっている。
ファスナーメーカー大手のYKKグループ。入社44年目、66歳の小林義昭さんは、富山県黒部市の工場で正社員として働き続けている。
香港、シンガポール、上海、インドネシアなど海外で計33年も働いた国際派。63歳で帰国後、富山県の工場で海外赴任する社員の指導にあたってほしいと請われ、ラインの責任者からは外れた。給与は下がったものの、やりがいを感じ、合意して働き続けている。
「帰国するまでインドネシアの現地法人の社長を務めたが、帰国後は役割や職務が違うので給与が下がるのは仕方ない」と納得したという。
中外製薬も来年から実質「定年廃止」に踏み切ります。長く働けば、いつか「ポストから外れる日」がやってきます。働き手はどう備えればいいのか。記事後半で専門家がアドバイスします
YKKグループは21年、定…