石窯mini=ロビーム提供

 「スティーブ・ジョブズみたいで気に入っている」。自宅ガレージでコンピューターを作り始めたといわれるアップル創業者になぞらえて、ガレージで製造するのは「石窯mini」。持ち運びができ、自宅やアウトドアで本格的なピザを手軽に焼ける。大手企業を定年退職した男性が会社を立ち上げ、製造・販売に乗り出した。

 製造・販売を手がける「ロビーム」は、川崎市幸区の住宅街にある。社長の石原良太郎さん(70)は明治グループに長年勤めた。最後に社長として出向した道南食品(北海道)では、明治が発売中止にしたサイコロキャラメルを「復活」させたという。62歳で退職したあと、「まだ燃え尽きていない」と2017年にロビームを設立した。

 事業の方向性を模索するなか、22年6月、知人を通じてミニピザ窯の販売について相談があった。長野県松本市に住む開発者と会って完成間近の窯を見たあと、打ち合わせを重ねた。

 家庭用のピザ窯は鉄製が主流だが、この窯はコンクリート製。直径30センチ弱のドーム形で、七輪と組み合わせる。燃料は炭で、煙がほぼ出ないのが特長の一つという。

 蓄熱性のコンクリートを使い、窯の天井部に400度まで熱をためる。そこから出る遠赤外線によってピザ生地の内部まで均一に焼けるという。

 下からの熱でピザの底がこげ…

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