社会にとって、いまや欠かせぬ存在の「市民ボランティア」。いつでも始められる手軽さから、活動分野は多彩だ。熟年になってから挑む人も多い。いったい、何が原動力になっているのか。
福島市の花見山公園は、市街地を見渡せる丘陵にある。全国有数の花の名所で、60~70代を中心に102人のボランティアがガイドをしている。
3月末の晴れた日。満開に近い彼岸桜の木の枝に、1羽のムクドリがたたずんでいた。初老の男性が不思議そうに眺めていると、松崎欽栄(きんえい)さん(85)がすかさず声をかけた。「花の蜜を吸いに来たんですよ」
今年で発足20年になるボラ…