福島県外から訪れた観光客を案内する松崎欽栄さん=3月28日、福島市の花見山公園

 社会にとって、いまや欠かせぬ存在の「市民ボランティア」。いつでも始められる手軽さから、活動分野は多彩だ。熟年になってから挑む人も多い。いったい、何が原動力になっているのか。

 福島市の花見山公園は、市街地を見渡せる丘陵にある。全国有数の花の名所で、60~70代を中心に102人のボランティアがガイドをしている。

 3月末の晴れた日。満開に近い彼岸桜の木の枝に、1羽のムクドリがたたずんでいた。初老の男性が不思議そうに眺めていると、松崎欽栄(きんえい)さん(85)がすかさず声をかけた。「花の蜜を吸いに来たんですよ」

 今年で発足20年になるボラ…

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