宝塚歌劇団(兵庫県宝塚市)は27日、宙(そら)組所属の劇団員(当時25)が死亡した問題を受けて進めてきた改革の取り組みについて、改めてホームページで公表した。歌劇団が、先輩劇団員らによるパワーハラスメントや過重労働があったことを認めて遺族に謝罪してから、28日で1年になる。
改革は有識者によるアドバイザリーボードから助言を受けて進めてきた。発表によると、アドバイザリーボードは昨年4月から計5回、会議を開催。「これまでの劇団は組織的な位置づけや責任の所在があいまいであり、有効なガバナンスが効いていない状態。ガバナンスの高度化を図り、劇団が責任をもって経営していく体制を整える必要がある」などと指摘を受けたという。
「閉鎖的・同質的な組織は様々な問題を抱えやすいため、外部の目を入れることで、経営の透明性・客観性を高め、チェック機能を高めることが重要」「労働者保護の観点から、労働基準法にのっとり、全ての劇団員が安心して活動できる環境を整備する必要がある」との提言もあった。
これらの助言をふまえ、歌劇団は今年7月をめどに株式会社化し、取締役の過半数を社外出身者とすることを発表。また、これまでタレント契約だった入団6年目以降の劇団員を雇用契約に切り替え、スタッフも勤務実態に即した労働時間管理を行うようにしたという。
歌劇団をめぐっては、宙組に所属していた劇団員の女性が2023年9月、宝塚大劇場での公演期間中に宝塚市内で死亡。歌劇団は昨年3月28日、先輩劇団員によるパワハラや過重労働があったことを認めて遺族に謝罪し、再発防止に取り組むと発表した。