高校などの授業料の無償化範囲を拡大する動きが広がりつつある。大阪府や東京都は所得制限などを撤廃した。保護者からは教育費の負担減を期待する声もあがるが、課題を指摘する専門家も。先行する大阪府の無償化について、専門家に聞いた。
福嶋尚子・千葉工業大学准教授(教育行政学)の話
保護者にとって授業料無償化はメリットが大きいと感じると思います。ただ、文部科学省の2021年度の調査を見ると、学校教育の費用に占める授業料の割合は公立高校で16.9%、私立高校で38.4%。授業料以外の、教材費や通学費などの負担は少なくありません。
授業料の裏で見えにくくなっている費用のことを、私は「隠れ教育費」と定義しています。授業料無償化という言葉のインパクトにひかれて安易に学校を選んだ結果、想定外の隠れ教育費が生じ、「こんなはずじゃなかった」とならないか心配です。
高校の授業料無償化をめぐっ…