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名目賃金と実質賃金の推移

 物価の上昇分を差し引いた働き手1人あたりの9月の「実質賃金」は、前年同月より0.1%減り、2カ月連続でマイナスとなった。電気・ガス料金の補助金が復活して消費者物価の伸びは抑えられたが、賃金の上昇が追いついていない。

 厚生労働省が7日、9月分の毎月勤労統計調査(速報)として発表した。労働者が実際に受け取った「名目賃金」にあたる現金給与総額は2.8%増の29万2551円で、33カ月連続プラスだった。このうち基本給などの所定内給与は2.6%増の26万4194円で、歴史的な高水準となった今春闘などによるベースアップが反映されて31年ぶりの高い伸びだった。

 一方、実質賃金の計算に使う消費者物価指数の伸び率は、9月請求分から復活した電気・ガス料金の補助金で押し下げられて2.9%(8月は3.5%)だった。この物価上昇分を差し引いた実質賃金は0.1%のマイナスとなった。

 5月まで過去最長の26カ月連続マイナスだった実質賃金は、ボーナスによる押し上げ効果で6、7月はプラスに転じたが、その後は2カ月連続のマイナスとなった。

「実力ベースでのプラス、時間かかる」

 今後はどうなるのか。ニッセ…

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