一番人気の「ナシパダン」(1350円)。柔らかく煮込まれたメインの「ルンダン」(中央右)に加え、時々の副菜がつく

 宮城県中部に広がる穀倉地帯に、東北中の在日インドネシア人が集まるレストランがある。渡辺輝(あきら)さん(57)、シティ・コリマさん(47)さん夫婦が営む「ワルンブルカジャヤ(幸運の食堂)」。国内でも珍しいインドネシア料理専門店だ。

 大崎市のJR鹿島台駅から北東に約2キロ。車1台がやっと通る小道を抜けた先に、店舗はあった。ただの住宅に見えるが、縁側を改修した入り口から足を踏み入れると、異空間が広がっていた。

 天井まで積まれて売られているのは、現地のスナック菓子、ジャスミン茶のペットボトル、調味料など。壁には民芸品のお面がかかり、焼き鳥やスープといった料理写真が並ぶ。店内にはイスラム教徒用の礼拝所もある一方で、障子やはりが和室の面影を残す。

 店の一番人気は、牛肉や鶏肉…

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