京都・祇園祭の山鉾(やまほこ)の一つ、船鉾の町会所(京都市下京区)で3日、ご神体の神功(じんぐう)皇后像につける神面(しんめん)の無事を確かめる「神面改め」があった。
神面は室町時代に作られた本面と、これを江戸時代に模して作った写し面がある。昨夏の山鉾巡行が終わると木箱で保管し、今夏の神事始めにあたる吉符(きっぷ)入りのこの日に木箱から取り出す。
羽織はかま姿の保存会役員が本面を、町内会長が写し面を掲げて無事を確認した。2人とも息がかからないよう懐紙を口に挟んでいた。
保存会の丸橋博之代表理事(73)は「ご神面は応仁の乱以前から私たちを見守る女神であり、美しい姿。船鉾町民の心を一つにできるのはご神面があるからです」と話した。
船鉾は17日の前祭(さきまつり)・山鉾巡行でしんがりを務める。写し面を神功皇后像に付け、本面を木箱に収めて鉾にのせて巡行する。
また、今年から熱中症対策で船鉾の曳(ひ)き手がペットボトルを携帯して、こまめに水分補給ができるようにするという。