宮崎県立芸術劇場(メディキット県民文化センター)の耐震改修などの工事が終わり、約1年8カ月の休館を経て4月1日にリニューアルオープンした。3月28日にアイザックスターンホール(コンサートホール)で記念式典があり、宮崎国際音楽祭で音楽監督を務める三浦文彰氏が記念演奏を披露した。
1993年にオープンした劇場は、東日本大震災を受けた法令改正で三つのホールのつり天井の落下防止対策が必要になった。劇場によると、ホール内の形質の変更を極力避け、天井裏側の補強鋼材を追加したり、落下防止のワイヤを加えたりした。昨年8月に日向灘沖を震源とする地震が起きた時は補強が完了しており、天井材に損傷はなかった。
ホールは国内トップレベルの音響特性を持ち、その残響時間や吸音率は改修前と同程度であることが確認できたという。
事業費は37億3千万円(予算ベース)。改修では、併せて舞台設備もリニューアル。照明がLEDに変わり全体が明るくなったほか、舞台照明は瞬時にさまざまな色に変えることができる。スピーカーを新設するなど舞台音響設備も改善させた。式典で松坂千尋館長は「安全性が高まり使い勝手がよくなった。県民に愛される拠点を目指していきます」と述べた。
同劇場を主会場に国内外のトップレベルの音楽家が集まる宮崎国際音楽祭は4月20日から始まる。
【動画】宮崎県立芸術劇場がリニューアルオープン=後藤たづ子撮影