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 1993年に国連のガリ事務総長が来日し、宮沢喜一首相と会談した際の記録が、2024年末に外務省が公開した外交文書に含まれていた。国連平和維持活動(PKO)に自衛隊を初参加させカンボジアへ送っていた宮沢氏は、冷戦後の日本の国際貢献や憲法との関係について思いを語っていた。

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1993年2月、来日中のガリ国連事務総長(中央)を会談場へ案内する宮沢喜一首相(右)。左は国連カンボジア暫定行政機構(UNTAC)の明石康・事務総長特別代表=首相官邸

 93年2月16日、宮沢氏は首相官邸でガリ氏と会談。「秘 無期限」とされた記録によると、冒頭こう述べた。

 「ソ連崩壊とともに、(米ソの)二極構造の下で維持されてきた秩序と安定もなくなった。パンドラの箱が開けられ、世界各地で紛争が頻発している」「日本国憲法は前文で平和を愛する諸国民の善意に信頼(を表明)した。国連への失望の時代が続いたが、(90~91年の湾岸危機への対応で)信頼が回復した」

 その上で、内戦を乗り越えて…

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