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Re:Ron(リロン)編集部から

 「いまはあなたのターン。いつかは私のターンが来るから、そのときはサポートをしてほしい」

 夫の駐在に同行するために退職した女性が、夫に伝えたこの言葉。取材中に聞いたとき、そうするしかなかった状況に胸が苦しくなりつつも、その決断をした家族の関係性に拍手をおくりたい気分になったことがあります。

 様々な分野の論文や研究者と共に社会運動を考える、社会学者・富永京子さんの連載「あちらこちらに社会運動」。今回は、富永さんのパートナーであり、地域の祭礼などを研究する法政大学教授の武田俊輔さんと、「個」と「家族」の関係について対談しました。

 家庭内には家事や育児など、多くの役割がありますが、家庭の外での仕事や活動のために、負担が誰かに偏ることは珍しくありません。富永さんはそれを「犠牲」と表現し、土日も飛び回る自らは、パートナーに犠牲を強いてしまった側だと振り返ります。

 ただ富永さんは今回、ある祭りを巡る対話の中で、「裏方」の女性が、表舞台に立つ子どもや祭りを代々受け継ぐ「家」を通じて、プライドや参加意識を持つ姿を感じ取ります。「『家族の名誉は自分の名誉』と思ってもいい社会も実在する」(富永さん)一方で、まず「個」であろうとする現代社会では、それが揶揄(やゆ)される雰囲気があるとも。その違いは何なのか。

 対談を終えた富永さんは次回以降、「家族の共同性」や「ケア労働」についても考えを巡らすとつづりました。簡単に答えを出さず、多様な視点に触れながら考える。この連載ならではの広がりだと感じます。

  • 「家の名誉は自分の名誉」はなぜ揶揄される 個でがんばりすぎる現代

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