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しんじょう君と、寄付されたピアノの前に並ぶ「すさきドリーム」のメンバー=2024年9月26日午後7時53分、高知県須崎市南古市町、原篤司撮影
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 「公民館のピアノがこわれそうなので、誰か寄付してくれる人いませんか? しんじょう君がとりにいきます」

 高知県須崎市の人気キャラクター「しんじょう君」がX(旧ツイッター)でこんなつぶやきをしたところ、全国各地から7台のピアノが寄せられた。ピアノが故障して困っていた合唱サークルのメンバーらは大喜びだ。

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 須崎公民館(同市南古市町)のピアノは、半世紀前に市民から寄付された。だが、数年前から湿度の高い時期などに押した鍵盤が戻らなくなる不具合が出始めた。

 「なんとかしてほしい」

 昨年8月の市政懇談会で、公民館を練習場所にしてきた合唱サークル「すさきドリーム」の山下千代野代表(66)が楠瀬耕作市長に直訴した。

 しばらく反応はないように見えたが、市長は水面下で動いていた。市の「顔役」でもあるしんじょう君にXでの発信を頼んだのだ。

 約2か月後の昨年10月12日、フォロワー数12万4千のアカウントで、冒頭に【拡散希望】と添えたつぶやきの効果は絶大だった。

 茨城、長野、東京、大阪、高知などの11人から寄付したいという連絡があり、市はそのうち7人からアップライトピアノ5台、電子ピアノ2台を受け取った。

 アップライトの1台は須崎公民館へ。市内の高校や保育園などにも設置された。それでも余裕があり、誰でも弾ける「ストリートピアノ」として使う計画もある。

市は配送料など約100万円を負担

 9月26日夜には、須崎公民館でお披露目があり、「すさきドリーム」の11人が、ピアノの音色に乗せて、市のPR曲「すさきがすきさ」を披露した。

 しんじょう君も駆けつけて寄付者に感謝し、「大切に使うからね」とコメントした。山下代表は「しんじょう君のおかげでこんな素敵なピアノを頂くことができました。フル活用します」と笑顔だった。

 市はピアノの配送料などで約100万円を負担した。

 楠瀬市長は「買うより安いし、何より寄付者の気持ちがこもった贈り物。大切にしていきたい」と話した。(原篤司)

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