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福岡県

 魚介類の寄生虫アニサキスによる食中毒が、福岡県内で増えている。2014~21年は0~18件で推移してきたが、22年53件、23年51件とほぼ3倍だ。21年以降は県内の食中毒の要因で最多を占めている。

 アニサキスの幼虫は2~3センチ。サバやイワシなどに寄生し、人がこれらの魚介類を生で食べると胃壁に侵入し、激しい腹痛を引き起こす。

 急増について、県担当者は「はっきりとした理由は分からない」とするが、近年、輸送技術が上がり、長時間の運送の間にアニサキスが食用にはなりにくい魚の内臓から筋肉の部分に移動している可能性や、海水温の上昇などが影響しているとみる。

 県内ではゴマサバなどサバの刺し身が原因となるケースが目立つという。県は、新鮮な魚を選ぶ▽すぐに内臓を取る▽冷凍や加熱処理をする▽目視で確認する▽対策を明記している店を選ぶ、などを呼びかけている。(大下美倫)

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