富士急行線三つ峠駅(山梨県西桂町)の駅舎がリニューアルされ、1日に供用が始まった。赤い三角屋根など外観はそのままに、交流やくつろぎのスペースを新設。「電車に乗らない人も立ち寄る駅」をめざす。
富士山麓電鉄(本社・富士吉田市)によると、三つ峠駅は1929年に完成。登山の初心者にも人気がある三ツ峠山(1785メートル)の最寄り駅で、昨年は年12万人以上の利用があった。
駅の改装は西桂町と同社が共同で進めた。町の事業費は約2145万円。駅舎は古い木造建築だが、柱や壁板などは引き続き活用し、補強工事や塗装によって新しくした。待合室には町が観光案内所を近く新設し、三ツ峠山の魅力や、地場産業である織物製品の店舗などを紹介するという。
駅舎に隣接していた建物は、かつて駅で発券業務などをしていた夫妻の住居だったが、解体してコミュニティー施設へと建て替えた。町民同士の交流や生涯学習の場として活用する。窓の向こうに駅ホームが見えるカウンターテーブルも設置。電車の発着を眺めながら飲食できるようにした。
駅舎リニューアルのデザインは東京造形大(東京都八王子市)の学生が担当し、コミュニティー施設の活用アイデアも提案した。この日の式典で富士急行の堀内光一郎社長は「コミュニティーの機能が広がり、一人でも多くの観光客が町に来るきっかけとなってほしい」。町は11日に駅舎の内覧イベントを開催する。(池田拓哉)