富士通は16日、生成AI(人工知能)を手がけるカナダのスタートアップ「Cohere(コーヒア)」と、生成AIの基盤となる大規模言語モデル(LLM)を共同開発すると発表した。コーヒアがつくったLLMを土台に、日本語能力を強化したLLM「Takane(高嶺(たかね))」(仮称)を新たに開発し、企業などに提供する。
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コーヒアはLLMの開発を手がける企業の中でも世界的に有力な1社とされ、「ChatGPT(チャットGPT)」を運営する米オープンAIのライバル企業として注目されている。共同開発に合わせて富士通はコーヒアに出資する。出資額は非公表という。
両社が開発するLLMに、業種や業務に特化した情報を学習させ、富士通のデジタル化支援のサービスと組み合わせて企業などに提供する。
セキュリティー性能の高さが強みといい、金融や官公庁、研究開発などの分野を想定する。9月から提供を開始し、2027年までに「特化型LLM」の国内市場で35%以上のトップシェアを目指す。(田中奏子)