富山県高岡市長選は29日、投開票され、前市議で無所属新顔の出町譲氏(60)が、現職の角田悠紀氏(42)=自民、公明推薦=と、元市議長の中川加津代氏(57)を破り、保守系3人による選挙戦を制して初当選した。市選挙管理委員会によると、確定得票数は、出町氏4万3223票、角田氏2万6582票、中川氏5437票だった。当日有権者数は13万6460人、投票率は55・65%(前回58・71%)だった。
前回に続き市長選に挑戦した出町氏は「チェンジ! 住みたいまち高岡へ」をキャッチフレーズに、能登半島地震で被害が甚大だった液状化対策の住民負担ゼロなどを訴え、選挙戦を展開。市議時代に市民対話集会を200回以上重ねた経験から「みなさんの『今を変えなければいけない』という声に応えなければならない」と呼びかけた。市政の税金の使い方に疑問を投げかけ、「突然、大型投資の話が決まる。それより、市民の暮らしが良くなる、商売が繁盛する、そんな使い方に変えましょう」と訴えて支持拡大に努めた。
角田氏は、1期目の実績を強調。4年前に掲げた政策はすべて予算に反映したとし、「まいた種が実を結ぶためにも2期目に挑戦させてほしい」と訴えた。能登半島地震からの復旧復興を最重要課題に、人口減少や少子高齢化にも向き合うとした。自民、公明、連合の推薦を受け、新田八朗知事、県内首長らの支援も受けて組織戦を展開したが、及ばなかった。
中川氏は、現市政を「期待外れだった」と批判。地域経済を活性化し、若者の雇用をつくり、稼げるようにすると主張。「好循環を生むことが高岡生き残りの最善策だ」などと訴えたが、支持は広がらなかった。