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第1回の新時代とやまハイスクール構想検討会議=2025年5月9日、県庁、前多健吾撮影

 富山県立高校の将来像を描いた「新時代とやまハイスクール構想」の初めての検討会議が9日、県庁であった。新田八朗知事が会長に就き、大学教授や地元経済界の代表、元校長らが新しい学びの場のあり方を議論。構想で示された再編の方針や教育内容を実現するための話し合いを進める。

 会議の冒頭、新田知事は「教育はどうあるべきかを考える必要性を感じ、様々な検討を重ねてきた。時代に適応し、未来を拓(ひら)く人材を育成するために、それぞれの立場から意見をいただきたい」とあいさつした。

 県教育委員会によると、中学卒業者数は昨年度が8625人。ただ2038年度に高校へ入学する子どもの学年では3割減の6千人程度になると試算する。クラスの数も158から111になる見通しだ。このため県は、すべての県立高を再構築する同構想を打ち出した。

 県立高の募集定員は38年度に4200人程度と想定。全日制は現状の34校を20~22校に再編し、1学年320人以上の「大規模校」2校を新設するほか、121~320人未満の「中規模校」を15校程度、120人以下の「小規模校」を4校程度設置する案となっている。第1期の計画として、28年度ごろに既存の高校を再編統合し、4~6校を開校させるとしている。

 また、学科の構成も見直す。普通系学科として、共通教科を学ぶ「スタンダード」や、大学での研究を視野に入れた探究活動を重視する「STEAM」、海外で活躍する人材を育てる「グローバル」、地域企業などと連携した教育を展開する「地域共創」など六つをイメージ。さらに「総合学科」と「職業系専門学科」が加わる。

 この日の初会合には委員17人のうち14人が出席。「進路、部活動がどうなるかを心配する声もある。安心できる情報発信をしてほしい」「教員も変わらなければならない。そのための研修を実施すべきだ」「各校の特色をどうつけていくかが課題」などの意見が出た。大規模校の設置方針は非公開で議論され、教育内容や設置場所などが話し合われたという。

 県教委はこれまで、県立高の今後のあり方をめぐり、有識者や市町村教委、経営者、PTAらが参加するワークショップを各学区で3回ずつ実施。昨年末には県立高2年生や教職員へのアンケートやパブリックコメントも行っていた。

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