避難所に届けた寝袋。右から2人目が野口健さん=1月、石川県能登町、NPO法人ピーク・エイド提供
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 登山家の野口健さん(50)が、能登半島地震の被災地に新品の寝袋を届ける支援活動に取り組んでいます。登山家の視点から、軽量で実用性の高い登山用具が避難所生活に役立つと考えました。3月31日現在、石川県七尾市や志賀町など6市町に寝袋9565個を届けました。野口さんに、活動の内容や課題を聞きました。

能登半島地震直後から動いた

 私は、野口さんを大学生のころから取材し、大胆な行動力に驚かされてきました。富士山やエベレストの清掃活動では、現地で汗を流しました。今回の支援活動では自らトラックのハンドルを握り、現地入りしました。

 地震発生直後、野口さんは「大勢の被災者が避難所生活を送るはず。最も大切なのは寒さ対策だ」と考えました。避難所のニュース映像が流れると、毛布が目につきます。野口さんは「ふとんや毛布は使わない時、かさばるし、冬場は保温力が十分でない。床に敷いた段ボールの上では寒くて安眠できない」と考えました。

 登山で使う寝袋は小さくまとまります。冬山のテント生活で使う断熱効果のあるマットを敷けば快適です。零下15度でも耐えられる冬山用寝袋とマットを送ることにしました。

支援のスピードが鍵に

 被災者に寝袋を届けるプロジ…

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