【動画】寒波で育った白い霧に登山客らが歓声、「関西のマッターホルン」高見山で霧氷見頃=林敏行撮影
奈良・三重両県境にある高見山(標高1248メートル)の山頂付近で、樹木を白く彩る霧氷が見頃を迎え、多くの登山客でにぎわっている。
円錐(えんすい)形の山容から「関西のマッターホルン」とも言われ、周囲に遮る物がない山頂は強風が吹き抜ける。そのため、風で吹き付けられた霧や細かい水滴が、物の表面に凍り付いてできる霧氷ができやすい。
11日朝の山頂付近は、雪の粒が顔に当たると痛いほどの強風が吹き、避難小屋の温度計はマイナス7度を指していた。先週から続いた今冬一番の寒気の流れ込みと、冬型の気圧配置で成長した「エビのしっぽ」と呼ばれる霧氷を楽しむため、11日は100人以上の登山客が訪れた。昼前に山頂付近の雲が一気に晴れると、歓声が上がった。
今後はいったん冬型の気圧配置が弱まり、霧氷が溶ける可能性もあるが、地元の観光協会によると、寒さや風の強さなどの条件がそろえば、2月いっぱい見られる可能性がある。登山口から山頂までは2~3時間かかり、登山靴や軽アイゼンが必要。警察などは、登山届の提出や、非常時に備えた食料などの準備も呼びかけている。