甲冑(かっちゅう)に身を包んだ人間を駒に見立てて対局する山形県天童市の「人間将棋」が13日、同市の舞鶴山で行われた。この日は冷たい強風が吹き荒れたが、前日からの2日間で約10万2千人の将棋ファンが全国から訪れ、プロ棋士の熱気とユーモアにあふれた対局を楽しんだ。
将棋の駒生産量日本一の天童市で開かれる春の風物詩。山頂の公園に設けられた縦約17メートル、横約14メートルの巨大な将棋盤上で、武者姿の40人が東軍と西軍に分かれ対局する。今年の駒武者には全国から193人の応募があった。
70回目の今年は、森内俊之九段(十八世名人称号保持者)と木村一基九段(第60期王位)という、「人間将棋史上最強の棋士同士の対局」(新関茂・天童市長)が実現。県内出身の阿部健治郎七段(酒田市)と岡部怜央五段(鶴岡市)も、駒武者として出場した。
よろいに陣羽織の将軍の姿で登場した両九段は、やぐらに陣取り、手元の将棋盤をにらみながら、マイクで指示して駒武者を動かした。一手指すたびに太鼓が鳴った。
90分以内の対局時間に「す…