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上野駅に到着した「カシオペア」。展望車には「ありがとう」の文字が掲げられていた=2025年6月30日午後5時40分、東京・上野駅、嶋田達也撮影
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 かつて北海道と本州を結ぶ豪華寝台特急として人気を集めてきた「カシオペア」が30日、寝台列車としての運行を終えた。ラストランの終着駅となったJR上野駅には多くの鉄道ファンが集まり、別れを惜しんだ。

 カシオペアをはじめ、「北斗星」「あけぼの」など多くの寝台特急が発着していた上野駅13番線。午後5時40分ごろ、カメラを構えた多くの鉄道ファンが待ち受ける中、2泊3日の仙台往復ツアーを終えた銀色の客車が機関車に牽引(けんいん)されて入線してきた。ホームに降り立ったツアー客も名残惜しそうに写真を撮り続け、約30分後、「ありがとう」の声と拍手に包まれながら車両基地に向かってホームを後にした。

 埼玉県から夫婦でツアーに参加した小野潤さん(64)は「25年ぶり2回目の乗車だが、お互いだいぶくたびれたなあと思った。お疲れさまと言いたい」と話した。

 カシオペアはオール2階建て全室個室タイプの豪華寝台列車として、1999年に上野―札幌間にデビューした。客車は寝台車10両、食堂車1両、ラウンジ車1両の12両編成で、定員は176人。乗ること自体を楽しむクルーズトレインの先駆けで、展望コーナーを備えたスイートは予約が取りづらい「プラチナチケット」として知られた。

 北海道新幹線が開業した2016年に定期運行を終えた後もツアー専用の臨時列車として走り続けていたが、客車の老朽化などを理由に寝台列車としての長距離運行から引退することになった。

 今後の車両の活用について、JR東日本は「様々な要望などを踏まえて検討している」としている。

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