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シャングリラ・ダイアローグで基調講演するフランスのマクロン大統領=2025年5月30日、シンガポール、長島一浩撮影
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 激しく対立する大国、予測不能なトランプ米政権のふるまい、終わらない紛争……。シンガポールで1日に閉幕した「アジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)」では、複雑化する世界でこれからの安全保障の形をさぐろうとする各国・地域の思惑があらわになった。

 「欧州とアジアが協力して超大国の脅しに屈しない自立のための連合を築こう」

 フランスのマクロン大統領は欧州の首脳として初めて、シャングリラ・ダイアローグ開幕の演説に臨み、東南アジア諸国との連携を強化する姿勢を明確に訴えた。

 フランスはニューカレドニアなど南太平洋に領土を持つことから、自らをインド太平洋の国と自認する。ただ、東南アジアをはじめとするアジア諸国との協力を模索する動機は地理的要因よりも、ウクライナ侵攻の停戦交渉から仲介者としての役割の後退を示唆するなど、行動を予測できないトランプ米大統領の存在が大きい。

 フランスが「連合」の軸に据…

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