現場へ! 壊された朝鮮人追悼碑(2)
2年前のクリスマス。群馬県の山本一太知事(67)以下、副知事や担当部長ら10人が顔をつきあわせていた。
議題は、県立公園群馬の森に建立されている朝鮮人追悼碑の代執行による撤去について。年明け2024年1月29日から公園を全面封鎖して撤去することを確認した。
撤去の当日。現場となった群馬の森は、隅々まで24時間態勢で警備員が配置され、重々しい空気が漂っていた。
東京ドームが五つ以上入る広さがある公園の周りは全面的にシートなどで目張りされ、中の様子をうかがい知ることはできなかった。
朝日新聞社の情報公開請求で入手した資料によると、重機が追悼碑を砕いていったのは29日の夜のこと。投光器で照らされたコンクリートの碑が解体されていく様子が写真に残っていた。
日本が植民地支配した歴史を忘れず、朝鮮人の犠牲者を心から追悼するための碑だった。由来を刻んだ碑文こそ事前に取り外してもらったが、碑は公園から撤去された。
「死者の尊厳をふみにじるもの」。着の身着のままで連れてこられて働かされたという朝鮮半島出身の男性に話を聞いたことがある、元大学教員の加藤昌克さん(77)は唇をかんだ。
撤去費用2062万円の納付命令
後日、県から市民団体の旧「…