第70回全国高校軟式野球選手権大会(日本高校野球連盟主催、朝日新聞社、毎日新聞社など後援)は26日、兵庫県明石市の明石トーカロ球場と同県姫路市のウインク球場で準々決勝4試合があり、4強が出そろった。
27日は休養日。28日は明石トーカロ球場で準決勝があり、専大北上(東東北・岩手)と史上初の4連覇がかかる中京(東海・岐阜)、あべの翔学(大阪)と早大学院(東京)の顔合わせ。
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東北対決を制した専大北上
専大北上が東北対決を制して4強入りを果たした。能代とは相性が悪く、「練習試合では2分け4敗でした」と菅野裕二監督。この日は相手投手の制球難につけ込んで一回に2点を先取すると、三回はエース宮森健太の適時打で加点した。宮森は投げても2試合連続の完封。「きょうは直球がよくて、ストライクゾーンにしっかり投げ込めた」と、投打に納得の表情だった。
ノーノー投手を打った中京
中京の5番曽我凰晟(おうせい)が五回1死三塁から放った打球は、ライナーで右翼方向へ伸びた。「ランナーコーチを信じた」。打球の行方を見ずにダイヤモンドを駆けて、一気に生還。ランニング本塁打で2点を加えた。1回戦で無安打無得点試合を達成した東洋大牛久の野田鴻志(こうじ)を早々に降板させた。投手陣も零封と攻守に圧倒して、4連覇へまた一歩進んだ。
長打で制したあべの翔学
あべの翔学は長打で勝利をたぐり寄せた。五回1死から8番岩本湊斗が右翼線へ二塁打。9番中西尊は左翼手の頭上を越える三塁打を放ち、先制に成功した。好機での打席でサインは当初、バットをたたきつけるように振ってゴロを打つ「たたき」だったが、カウントが打者有利になって「『好きに打っていい』に変わった」と中西。気持ちよくバットを振り抜いた。
勝負どころで守りきった早大学院
早大学院が1回戦に続いて1点差を制した。勝負どころでの守りが大きかった。1点差に迫られた直後、八回2死一、三塁で救援したエース孫大惺は落ちる変化球を駆使し、空振り三振でピンチを脱した。一打同点の九回2死二塁では、中堅へ抜けそうな当たりを遊撃手・山岡悠人が体を張って好捕し、「最後は気持ちだった。アウトにできてよかった」とほおを緩めた。